書籍・雑誌

初秋

2011/11/24(木)

季節はそろそろ晩秋から初冬というあたりですが、ロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズの代表作のひとつ「初秋」を読みました。おそらく大学生の頃に読んで、今回が3、4回目になります。

昨年に作者が亡くなったこともあり、読み直そうと思っていたのですが、おそらく誰かに貸したまま返ってきていないようで、仕方なく文庫本を購入して再読となりました。

スペンサーという探偵が主人公のハードボイルドシリーズのなかの異色作で、両親の離婚沙汰に振り回される少年をスペンサーが引き取って育てるというストーリー。主人公が育てるわけですから、そこには作者の考える、正しい大人の男のイメージがかなりストレートに描かれており、異色ではあるけども、ハードボイルドの傑作と言われる作品になっています。

シリーズのなかにはまだ未読のものもあり、未読のものを読んでみるか、それとも過去の作品を再読するか考え中です。

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永大産業サッカー部

2011/08/27(土)

創部3年で日本一を目指した永大産業サッカー部を描いた、「歓喜の歌は響くのか 永大産業サッカー部 創部3年目の天皇杯決勝」を読みました。

永大産業が活躍したころは、まだ小学生で残念ながら日本リーグのサッカーにはほとんど興味がなく、その活躍については故・平田生雄さんをはじめ、多くの先輩から昔話として聞かされたり、書物で読んだりしたにすぎなかったのですが、改めて会社の成り立ち、サッカー部の創設から廃部までを知ることができました。

日本リーグ時代からのサッカーファンにはもちろん必読の書ですが、新しいサッカーファンも日本リーグを知るためのいいテキストだと思います。もちろんサッカーファンでなくても楽しめる内容になっています。

そういえば、巻末のセルジオさんのメッセージのなかに賀川さんが登場したのには驚かされました。

Kanki


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Never let me go

2011/06/18(土)

カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」を読みました。

カズオ・イシグロは、まとめ読みではなく、タイミングを計りながら
全作品をきちんと読みたい作家の一人です。

カズオ・イシグロ以外では、
ポール・オースター、ロバート・B・パーカー(ジャンルばらばらですが)
あたりがまだ読み残している作品が多数あって、
まだ残っているいることがうれしい、と感じさせてくれる作家です。

「わたしを離さないで」は映画化されて、
評価も高く、俳優たちもアカデミーにノミネートされていますが、映画は未見。
牧歌的な情景のなかで、少年・少女の激しい感情の動きと
衝撃的な秘密が展開します。

小説自体が"Never let me go"と語っているような
力のある作品でした。

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「デフレの正体」を読んだ

2011/05/19(木)

PODCASTで聞いている久米 宏さんの番組で取り上げられていた「デフレの正体」を読みました。昨年に発売されたものなのですが、いまだにかなり売れているようですね。

ウェブで検索してみると、批判的な意見もかなり多いようなのですが、経済についての深い理解や洞察のないぼくにとってはなかなか納得の一冊でありました。

「不況の根本原因は、景気循環ではなく、日本の歴史の中で初めて経験する『2千年に1度』の生産年齢人口減少にある。消費を支えるこれらの世代の減少で、内需が減少しているからだ。日本全体の景気という総論ばかりが注目を集めるが、地域経済と人口減少という各論を見つめる必要がある」

その対応策としては、かなり荒っぽくまとめると
 20〜40代にお金をまわせ
 女性を働かせよう
 海外からの観光客を増やそう
です。

なかなかおもしろかったですよ。

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今年読んだ本

2011/02/03(木)

ザッポス伝説

マリオネット―プロサッカー・アウトロー物語

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

螢・納屋を焼く・その他の短編

リトル・シスター

坂の上の雲(1)

風邪をひいたりしてうちにいる時間が長かったので、
普段より多くの本を読めましたが、まだ読みたい本が山積みなので
この勢いで読もうと思っています。

とりあえず、農業本と「村上春樹 雑文集」を片付けつつ、
並行して坂の上の雲をちらちらと読もうかな。

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1Q84はドストエフスキーを目指す?

2009/06/09(火)

高校生以来の村上春樹ファンです。

現在発売されている、「1Q84」も、書店に並んだ初日に購入して、上下巻を一気に読んでしまいました。

これまでよりも、リアルなサスペンスがあり、読後に残った感覚も、これまで以上にリアルな切なさでした。

個人的には、村上春樹ファンにも、これまで読んだことがない人にも、超オススメです。

最近は、フィッツジェラルドやチャンドラーといった、彼が好きな作家の翻訳が相次いでいましたが、これらの作品や村上春樹自身の作品の特徴であった一人称から、今回は長編で初めて全編を三人称で書いた作品ということで、新たな境地とみられているようです。

自分の好きな作家・作品のスタイルで書いてきて、一つの到達点にたどりついて、次は別のスタイルで、もう一つの到達点=ドストエフスキーを目指す、ということでしょうか。

まあ、そんな難しいことは抜きにして、とにかくオモシロい作品でした。

近々、もう一度読みなおそうと思います。

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