中高で英語の先生だったフリン先生が話してくれた物語が、なぜか記憶に残っていました。
ある事故で亡くった人たちの生きざまをたどっていくと、立派な人も、悪人も、そのタイミングで亡くなってよかったのです、というような話だったと記憶していて、父や友人が亡くなるたびに「今でよかったんだ」と思ってきました。
先日、ブルータスの村上春樹特集の「手放せない51冊の本について」のなかで「サン・ルイス・レイの橋」というのを発見し、「あ!これや!」と思って検索してみると、岩波文庫の古本は7000円以上のところ、映画化作品のDVDはずっと安価だったので、こちらを購入。おそらく、フリン先生が語ってくれた物語に違いないのですが、ロバート・デ・ニーロ、ハーヴィー・カイテル、キャシー・ベイツらの豪華キャストによる映画の出来栄えはイマイチな感じで、あまりダイレクトにメッセージが伝わってくるものではありませんでした。自分の記憶が映画が発信しようとしているメッセージと同じなのか(たぶん違う)、フリン先生は作品から何を読み取ったのか、あいまいなままなのですが、自分自身の価値観(死生観?)を改めて確認する機会になりました。