極私的大会後記
大学に入ってアメフト部から強烈な勧誘を受けて、やってみたいという気持ちもあるなかで結局入部しなかったのは、勧誘の最後の殺し文句の「グラウンドで一緒に涙を流そう」という言葉だった。涙を流したくないのではなく、小・中・高とサッカーで十分に涙を流してきたから、次は違うことで泣きたいと思ったのだ。
大学では不真面目な学生だったけども、アルバイトとサークルに明け暮れて、サークルで「1万人のダンスパーティ」(死期ですが)を開催して最後に仲間とステージで泣いた。そして次は泣ける仕事をしようと思ったのは、もう20年以上昔のこと。
そもそも泣ける仕事なんて普通にしていればまず出会わないし、さらに言えば大人になってしかも仕事で涙を流すなんてことは不適切であり、認められないことにちがいない。そう、異常なのだ。
涙を流さないとしても、仕事で感動できることは何かと言えば、自分の力を最大限に発揮できること、仲間と一緒に何かを作り上げること、そしてそれを受け取ったユーザーが喜んでくれることだろうか。
今回のU-18フットサルトーナメントでは、ニーズはあるけども誰にも頼まれたわけではないものをゼロからつくっていくなかで、「これは全身全霊をこめてやらなければならない仕事だ」と感じて、まずは出来るだけ多くの人にお会いして、U-18のフットサル全国大会を目指してプレ大会を開催したいという趣旨を伝え、出場チームに出場の依頼をして、各地域での調整をお願いしていった。誰にどの順番でお願いしていくべきかということも明確な答えがあるわけでもないなかで(何しろ誰にとっても初めてのことなのだ)、とにかく形をつくるために、とにかく動きながら、自分にできるベストを尽くそうと考えた。
北海道から九州まで足を運んでみれば、そこには確かにニーズや熱意があることが感じられ「いい大会にしていってください」という言葉が背中を後押ししてくれた。スポンサーのお願いをするなかでも、大会の趣旨を理解してくれる方が多かったのはありがたかった。空回りしているな、と感じることもあれば、地域での調整やチーム選出でずいぶんお手数をおかけすることにもなったけども、同じ思いを抱いてくれている同志がいると実感できた。そして大会当日も、物的、人的ともに不十分な準備のなかで、関係者が一人何役もの活躍をみせてくれて、何とか乗り切ることができた。
開幕戦で優勝候補とみられていた(実際に選手のレベルは非常に高かった)國學院久我山に対し、熊本県選抜が勝利、短期間の準備ながら独自のスタイルで勝ち上がっていった松山工業や京都橘の大会の中での成長、フットサル経験値が圧倒的に高い名古屋オーシャンズU-18に対する久我山や作陽の戦い、そしてエキジビションで森岡薫らのオーシャンズのメンバーと戦う大会選抜メンバーの笑顔。
これだけ揃うと、さすがにウルッと来てしまい、「使い捨てのコンタクトを忘れて、昨日からそのままなんで」などと言い訳しようと思っていたけども、誰からも突っこんでくれなかったのでとりあえずここに書いておきます。
今後、報告書をまとめ、何度か公式・非公式の場で大会の報告をしていくことになりそうですが、以上、極私的大会後記でした。
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