決勝トーナメントへの反論
いよいよパラグアイとの対戦が迫って来ました。
こんな時にいまさら、なのですが、Dannyさんが昨日ブログに書いてくれた
「決勝トーナメントという言葉は」へのフォローということで自分なりに
大会用語についてまとめてみようと思います。
ちょっと長文になるので、大会後にでも読んでみてください。
予選リーグ、決勝トーナメントという日本で定着している表現にはいくつかの
不適切さが含まれています。
■予選リーグ、決勝トーナメント
予選は各大陸の予選で終了しており、
FIFAの「Regulations」によれば、
参加チームは、
South Africa, and the 31 other teams that qualify from the preliminary competition.
PRELIMINARY COMPETITION(予選大会)で参加資格を得たチームが
FINAL COMPETITION(本大会、決勝大会)に参加できるということになっています。
つまり、「予選」はすでに終わっていて「決勝大会」を戦っているのだから
デンマークに勝って予選リーグ(あるいは予選)を突破
というような表現は不適切と考えられます。
日本語での予選リーグはここでは、「Group stage」となっていて
総当たり=リーグ方式(The league format)で争われます。
そこで勝ちあがると
Round of sixteen(ラウンドオブ16)
Quarter-finals(準々決勝)
Semi-finals(準決勝)
Final, play-off for third place(決勝、3位決定戦)
と呼ばれる「Knockout stages」への資格を得ることができます。
つまり、
本大会は、グループステージ、3つのノックアウトステージ、決勝・3位決定戦で構成される。
ということになります。
The final competition shall be played in a group stage, followed by three
knockout stages, the play-off for third place and the fi nal.
■トーナメント
上記のような誤りが生まれる最も大きな原因のひとつは
ノックアウト(knockout)方式のことを、日本語英語では、
トーナメントと呼ぶこと。
英語のtournamentは一般的に「大会」全体を指し、
FIFAのRegulationsのなかでも、
tournamentの得点王
などなど、一般的な「大会」として「tournament」は使われています。
なぜか日本ではノックアウト方式のことをトーナメントと
呼ぶようになってしまいました。賀川さんの説では
高校野球の影響とのことですが、いつからこのように
使われるようになったのか、探ってみるのも面白いかもしれません。
ここまで定着してしまった用語を今から変えていくことは難しいかもしれませんが、
・予選~決勝という表現はふさわしくない。
・トーナメントは日本語英語。
ということは「世界と戦っていく」日本の国民として知っておきたいし、
できれば、世界基準の表現を使っていく方が気持ちいいかなという気がします。
長々と書いてきましたが、
賀川さんが2002年前後に書いているテキストは以下の通りです。
このようなブログを書いているのも、すべて賀川さんに触発されての
ことであるのは言うまでもありません。
また、参考までに大阪在住のイングランド人であるベンの
ツイートを引用します。やはり母国の人の言葉は説得力がありますね。
「Group stage」=大会の中で行われる、グループリーグのこと。「stage」と言えば、ほかにグループリーグじゃないステージもあるということになります。
「First round」はそのまま「1次、1回戦」という意味です。W杯の場合は、1次グループリーグしかないので、「Group stage」=「First round」。両方使います。
「Second round」は「2次、2回戦」という意味です。W杯の場合は、「Second round」=「ベスト16」。英語では「best 16」とは言いませんが、「last 16」(直訳:最後に残っている16チーム)は言います。
「Knockout stage(s)」=1発勝負であれH&Aであれ、2チームが勝負し、勝った方だけが生き残る(次に進む、或いは決勝の場合は優勝する)とのことです。W杯の場合は、ベスト16・準々決勝・準決勝・決勝が全て「Knockout stages」。
おまけにもう1件、「スーハイさん」こと我崇拝賀川翁さんのブログ
決勝トーナメントは誤用
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