ロストジェネレーション
朝日新聞で25〜35歳をロストジェネレーションと名付けて、連載特集を組んでいます。
少年期にバブル崩壊を迎え、戦後最長の経済停滞期「失われた10年」に大人になった若者たち、とのことで第1次大戦後のアメリカの作家ヘミングウェイ、フィッツジェラルドらの「ロストジェネレーション」になぞらえたもの。
ぼくが違和感を感じたのは、フィッツジェラルドらの元祖ロストジェネレーションは、大戦後の狂乱の好景気に青年時代をすごしているので、いまの日本とはちょっと違うよね、ということでした。
まあ、細かいことを云々しても仕方ないのですが、先日の「グレート・ギャッツビー」についての日記にも書いたように、大学でアメリカ文学を専攻していて、ちょうどロストジェネレーションがテーマだったので、やけに懐かしく感じました。
「80年代のアメリカ文学」というテーマで卒論を書いた際に、影響を受けたのが雑誌「Switch」の特集号「The Lost Generation:あらかじめ失われた世代」でした。デイヴィット・レヴィットによる巻頭のエッセイ「The Lost Generation」で80年代を以下のように描いています。
60年代が希望に満ちた天真爛漫な時代だとしたら、80年代は希望のない皮肉な時代だ。それは60年代の対であり、懐疑的な子孫である。僕らは懐疑主義の子供だ。
こちらはまるで日本のバブル期と現在のことを書いているかのうような気がしますね。(日本の現在=アメリカのニューロストジェネレーションということになります)
この朝日新聞の「ロストジェネレーション」については、いくつものブログでも取り上げられていますが、多くの人が違和感を感じているようです。果たして、この呼称は根付くのでしょうか。
そういえば、かつてぼくたちの世代は「新人類」と呼ばれましたね。
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