グレート・ギャツビー
村上春樹訳の「グレート・ギャツビー」を読みました。宣伝文句は
村上春樹が人生で巡り会った最もたいせつな小説
で、「構想20年」とのこと。その思い入れは、
翻訳者として、小説家として
と題されたあとがきに30ページ近くにわたって延々と書かれています。ほんとうは60歳になるまで翻訳しないと決めていたのに、我慢できなくなって訳してしまったことなど、言訳がましくてなかなかかわいいです。
ギャツビーは、スコット・フィッツジェラルドの代表作であり、夢と挫折を美しく描いた、アメリカ文学のなかでも最も優れた作品のひとつ。(と、ぼくは信じている)
学生時代、工学部から文学部のアメリカ文学に転部したのも村上春樹と彼が傾倒しているアメリカ文学の影響でした。(工学部のままだったら卒業できなかったという異論もある?)
作品だけでなく、フィッツジェラルドの生き方にも憧れたりしていました。今になってみれば、第1次対戦後のアメリカの繁栄と、当時の日本のバブルが同じようなムードを持っていたようにも思います。
学生時代に読んだときには、
女の子を育てるなら、「かわいいおバカさんに」というくだりが忘れられなかったのだけど、今回は
きれいで、頭の弱い娘
と訳されていました。個人的には「かわいいおバカさん」がいいな。
その他にも、記憶にのこる、うつくしいフレーズが満載です。
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