賀川さんからのメッセージ
今回で9回目のワールドカップ取材となる賀川さんにとって、日本代表が登場するワールドカップは、当たり前のことではなく、ごく「最近のこと」。
そんな賀川さんからオーストラリア戦についてのメモが届きました。試合直後ということもあり、いつもよりも賀川さんのリアルな思いが伝わる原稿になっています。
点を取るときに取らなければ勝てない、といういつもの例で、大事な試合を落としました。ヒディングが日本を研究すれば、当然トップに2人目の長身選手を入れてくることはわかってても、それに対応する日本の2人目の長身はいないのだから、とにかくつないで、ゆっくりキープから速攻に転じるというやり方は悪くはなかったし、何度もチャンスを作りましたが、それを決められなかったのでは、、、
このワールドカップという大舞台で、一皮むけてくれることを祈っていましたが、第1戦では叶いませんでした。
中田はいつもの通りがんばり、中村は決して調子上々とは見えないが、まずまずでした。中村の高く上げて落とすボールからGKのミスを誘って、日本の先制ゴールが生まれましたが、柳沢、高原のGKとの接触があり、反則を取られても仕方がありません。
ヒディングも記者会見でそのことを指摘していました。問題は柳沢が86年のマラドーナのように反則ゴールの後に自ら2度目のチャンスを決めていればよかったのですが、彼にとっても惜しい試合でした。
ゲームの分岐点は後半2度ありました。最初に小野が投入されてしばらくして、彼がエリアの近くでボールを持ち、得意の何気ない風で短いパスを送った時、チーム全体、特に中盤から前の選手の疲労を考えれば、小野ほどのプレーヤーなら自分で仕掛けてシュートにゆくべきでした。次は、このパスを奪われてからのカウンターで攻められ、強シュートを川口が防ぎ、そのクリアをオーストラリアの左サイドからのロングスローとなって川口が飛び出し、叩き損ねたあと、こぼれた球をシュートされたのです。
川口は1試合に1度はこういうプレーがあります。それは攻め込まれて彼がピンチを好プレーで防いでいるときに「オレがやらないと」という気性から遠いレンジのハイボールに飛び出し失敗することです。彼のファンも何度も見ているはずですが、ファインプレーとミスとが彼には常につきまとっています。但し、そういう選手なのだからこういうゴールもあって当たり前です。その前の彼のファインプレーで防いだリバウンドを駒野が後方に相手が来ていないのに、コーナー近くのタッチに蹴り出したのもポイントの一つです。彼のがんばりはすばらしかったが、この点は誠にもったいないことでした。(相手にはロングスローと長身選手がいる)こういうところは、日本サッカーはレベルアップしたと言っても、ドーハからあまり変わっていない。ドーハの時は時間稼ぎできなかったが、今度は名手・小野でさえ、自分で切り込んでシュートするか、悪くてもペナルティを取るという強さがない気がします。
3-1の2点差は大きいことです。あとは選手が開き直ること。
何十年にわたって言ってきたことが、そのまま結果にあらわれると、またこのあと、何十年も言い続けなければならないのか。オクトゼネリオンにとってはつらいことです。
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