リヨンも雨だった
ワールドカップが終わった寂しさを感じながら、「ブライアン・グランヴィルのワールドカップストーリー」をぱらぱらとめくるうちに、98年リヨンでの日本−ジャマイカ戦に目が止まった。この試合が豪雨のなかでおこなわれたことをすっかり忘れていたことに気づいた。雨が降り出したのは、我々が会場入りした後で、試合が終わった時には雨もあがっていたので、濡れながら観戦したわけでもなく、雨が全く降り込まないスタンドに驚かされた記憶があるが、自分がぬれなかったために、雨中のゲームという印象が薄かったのだろう。
宮城でのトルコ戦のあとで、ジャマイカ戦につづき2大会にわたって日本の最終戦を観て、どちらも「勝てる試合やったのに」と悔しい思いをしたことで、2006年には最終戦になる可能性のある試合には行くべきでないか、とまで思ったものだが、2戦とも雨のなかという共通点には思いいたらなかった。日本は雨の中での戦いに弱い?そういえば0-5で完敗したサンドニのフランス戦も、敗戦の理由のひとつはピッチの状態の悪さだった。
賀川さんがドイツの強さを評して、カメルーン戦について話していた。「ドイツ選手は前半はぬれたピッチで、長い足を持て余して滑ってばかりいた。しかし、後半になると、足を滑らせる選手はいなくなった。試合途中で修正できるドイツの選手の調整能力はさすが」。イエローカードが16枚という荒れたゲームだったが、技術的にみれば、スリッピーなピッチへの対応は重要なポイントだったというわけだ。
日本選手の技術が世界的なレベルに達したことに異論はない。しかし、雨の中でその技術を発揮できるだけの余裕があるかといわれれば、その域には達していないということなのだろう。土ではなく、芝生のピッチで練習しなければならないと言われつづけた国の代表として、ようやく芝生上での能力を身につけた選手たちだが、雨の芝生での経験をさらに積まなければならないということだろう。中田英寿は2001年コンフェデレーションズカップのオーストラリア戦の豪雨のなかでも輝いていた。
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