ロナウドのゴールはフットサル流
ブラジルがトルコを下し、決勝でドイツと対戦することが決まった。ファーストラウンドの対戦では前半44分にハサンが見事なゴールで先制。ゴールを決めた後もニコリともしない様子からは、「王国」を相手にしても全くひるむことのない、並々ならぬ自信とプライドが感じられた。このゴールはパス、シュートともに完璧で非常に美しいものだったが、後半5分のリバウドのパスからロナウドが、決めたゴールはさらに驚くべきものだった。ロナウドの飛び出しのスピードと、ボールを叩くのではなく、スッと流し込んだ感覚は、彼のストライカーとしての才能が見事に表現されたものだった。
この後、西帰浦での中国戦、神戸でのベルギー戦をスタジアムで見た。ロナウドはボールのないところでは、やる気なさげに見えるのだが、チャンスになったときのギアの切り替えは強烈で、一気にトップスピードに入ってスペースに走りこみ、ドリブルで突進する。賀川さんがレイソルの北嶋秀朗を評して、「ボールのないところで、だらだらとしていられるのはストライカーの素質」という話しをされていたのを思い出す。消える動きといえば、クロスのタイミングでディフェンダーの視野から消える動きを指すが、ぼんやりと死んだふりをしてディフェンダーの注意をそらすというのも、「消える」テクニックの一つというわけだ。ロナウドはお世辞にも体調は万全には見えないが、彼とリバウドがしっかり結果を残すことで、チームに勢いが生まれ、セカンドラウンド以降は時折守備に綻びが見えるものの、チーム全体に自信と安定感が備わってきたようだ。
そのロナウドが準決勝のトルコ戦でもゲーム唯一のゴールを決めた。トルコの寄せの速い厳しいマークを受け、押し気味に試合を進めながらも決定的なチャンスが作れなかったが、ゴールを決めた場面では、ドリブルを仕掛けて4人に囲まれながら、トーキックでシュートをした。フットサルのシュートでは、スペースのないところから小さなモーションで蹴れるトーキックが多用されるが、このゴールはまさにフットサル的で、トルコのディフェンスも、GKも意表をつかれてしまった。ロナウドはブラジル時代にも、オランダのPSVでもフットサルをプレーしていた経験があり、それがこのゴールにつながったといえそうだ。ロナウドはこれで得点王ラインの6点に到達し、5点のリバウド、クローゼとともに決勝戦で得点王を争うことになった。
ジャンピングボレーといい、トーキックといい一般人には理解しかねるゴールであったが、それ以上に理解を超えているのは、あの髪型だ。あの髪型で優勝の記念写真におさまってはいけない。決勝戦に向けての僕の最大の心配事である。
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