強いドイツ
韓国が準決勝でドイツに敗れた。日本が、勝てる試合を落とした、あるいは勝たなければならない試合だったという評価を残したことと比べると、準決勝で大国ドイツと渡り合っての敗戦に国民も十分納得することだろう。今大会での韓国はポルトガル、イタリア、スペインとヨーロッパのサッカー大国を下してきたわけだが、3国とも民族的にはラテン系で、韓国の最後まで衰えない運動量と、俊敏性、サポーターを巻きこんでの勝利への熱意に屈した形。イタリアは、安貞桓のゴールでマルディーニが身体を寄せきれなかったシーンに象徴されるように、ネスタ、カンナバーロという守備の2本柱を欠いたことが大きかった。韓国に有利に働いた審判の判定があったことも確かだが、ゲルマン系のドイツはそれも計算に入れてゲームプランを準備し、見事に実行してみせた。ファウル数は韓国の19に対し、ドイツは12。バラックのイエローカード(決勝は出場停止)は痛かったが、ファウルをしない戦いがドイツには徹底されていた。GKのカーンが「ゴールを取り消されても、さらに2点、3点を狙うのだ」というコメントをしていたような事態にはならなかったが、チームがひとつの意志をもって動く時のドイツはさすが。
90年大会を制したマテウス、クリンスマンらから世代交代がスムースに進まず、94、98年大会ではブルガリア、クロアチアに準々決勝で敗れ、さらにEURO2000ではグループリーグ敗退と、ドイツの時代は終わったとも言われた。かつてはあまりの勝負強さに、強いけども、魅力的ではないというのが定評だった。そういえば、現F1チャンピオンのミハエル・シューマッハも同様に圧倒的な強さのため、レースの勝敗という最大の興味がそがれてしまう傾向にある。その、強いドイツの復活は2006年の本国での開催かと考えていた。今回のチームが優勝に値するチームであるかと問われれば、多くの人が否定するにちがいない。ここまで来たら、最後は3Rに爆発してもらって、ブラジルの優勝というのが無難な結末かも。GKのカーンが“当たってきた”のが気がかりだが。
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