トップページ | 2002年6月 »

2002年5月

期待されたアップセット

2002/05/31(金)

セネガルはなんとも瑞々しい勝利で新世紀の幕を開けた。82年、90年と前回王者アルゼンチンが敗れる波乱があったが、今回は新世紀最初の、初の欧州、南米以外での開催ということもあり、まさに新時代を感じさせるアップセット。敗れたフランスは、リードを許しながらもパニックに陥ることなくゲームを進めたが、完成されたチームである反面、勢いという点ではセネガルが上手だった。まだ20代前半の得点王トリオ、トレゼゲ、アンリ、シセも、ひたすらまじめな表情でチームに忠実にプレーしつづけるものの、シュートがバーをたたき、そのまじめな表情には悲壮感が漂った。

「これがサッカー」、This is football、とこのゲームを見た人々は口にすることだろう。新しい時代の大会では、そんな常套句も、サッカー界の常識も超えた感動と驚きが用意されているのかもしれない。楽しい予感が、ひとつ現実となった開幕戦であった。

日本での開幕日、私は札幌でドイツーサウジアラビアを見る。ここでも驚きがあるのか、それとも欧州の大国が面目を保つのか、楽しみだ。

固定リンク | 社長の日記 | コメント (0) | トラックバック (0)


8回目の旅立ち

2002/05/29(水)

賀川浩先輩が、ソウルに向けて出発した。今回で8回目のワールドカップ取材。いつもの海外取材と同じようにまとめられた、手書きのスケジュールを見ると、日本、韓国を股にかけてのかなりの強行軍だ。今回は試合の時間、利用する航空便、ホテルなどがびっしりと書きこまれたなかに、「泊 芦屋」という文字が見えるのが自国開催ならでは。「医者に見せたらドクターストップものですね」と言って笑ったが、ドクターストップかかっても、行っちゃうんだろうな、きっと。というのは冗談で、ストップかけられるような持病はありません。昔、ファールを受けつづけながらもプレーを続けるマラドーナを「無事是名馬」と表現したアナウンサーがいたが、ライターも無事が何よりなのである。

どんな旅でも、スケジュールを立てるのは楽しいもの。それが世界最大の祭りを追いかける旅なのだからたまらない。肥大化し、過密スケジュールを強いられた大会を嘆きながらも、大会を前にしてボルテージは高まるばかりだ。そんな賀川先輩にとって韓国は、神戸一中時代には目標であり、最大のライバル。戦時中には駐屯し、終戦を迎えた地。そんな賀川先輩が書き綴ってくれる「ワールドカップの旅」を僕たちは心待ちにしている。

固定リンク | 社長の日記 | コメント (0) | トラックバック (0)


神戸にサッカーがやってきた。

2002/05/27(月)

いよいよワールドカップがやってくる。賀川浩先輩と震災3年目にKAGAWA SOCCER LIBRARYを、一昨年にはFCJAPANを立上げた当初の、「2002年には日本のサッカーを世界に発信する」という夢は、いまだ志半ばではあるが、この大会を契機にして日本サッカーが踏み入れる新しいステージにおいて、「サッカーの感動をつくり、伝えていく」ことを引続き追求していきたい。その決意表明として、そして皆さんとサッカーを考える場として、連載を企画しました。「日本サッカー発祥の地」を自認する神戸の街から、時にはスタジアムから発信していきますので、よろしくお付き合いください。

ワールドカップ開幕も5日後にせまった5月26日、神戸ではイングランド−カメルーンの親善試合が開催された。両チーム合わせて17人が交代するゲームながら、カメルーンの身体能力の高さ、イングランドの決定力というそれぞれの持ち味をライブで見ることができたのは収穫。後半に投入されたシェリンガム、ファウラーとヘッドでつないでのゴールは、ロングボールを蹴りこむ昔のスタイルでこそないが、さすがイングランド、と納得させるものであった。

ピッチの外でも、母国イングランドのサポーターたちが楽しませてくれる。スタジアムでは小人数ではあるが声を限りに「Football's coming home」などのおなじみの応援を披露。さらに、おしとやかな神戸の観衆を巻きこもうと、「ニッポン、チャチャチャ」と始めて手拍子が大きくなるとみると、「England チャチャチャ」にすりかえる技には感心させられた。試合後の三宮の町では彼らと飲みながら、ワールドカップが開催されることを改めて身体で感じることができた。酔いつぶれてイスから転げ落ちるロンドンのおやじもいれば、早速日本人女性を口説きにかかるコベントリーのお兄ちゃんもいたが、神戸の街を破壊しようという輩はひとりもいなかったことは言うまでもない。

固定リンク | 社長の日記 | コメント (0) | トラックバック (0)


トップページ | 2002年6月 »